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建設業の人手不足と技能実習生の受入れ状況

現在建設業界では、人手不足が深刻な問題となっています。特に、若年層の就業者が減少傾向にあります。 そんな中、建設業界での外国人の受入れは年々増加しています。

ここでは、建設業界の人手不足の実態と外国人の受入れ状況について紹介します。

1 建設業の人手不足
1-1 建設業界の雇用者数推移
1-2 建設業の若者離れ
2 外国人の雇用について
2-1 外国人の就労人数
2-2 職種
3 まとめ

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1 建設業の人手不足

国内では少子化に伴う人口の減少や高齢者率の上昇の影響により、建設業だけでなく様々な業界で人手不足が問題視されています。では、建設業の雇用状況について見ていきます。

1-1 建設業界の雇用者数推移

国土交通省が2021年10月にまとめた「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によると、2020年度の建設業就業者数は492万人で、1997年のピーク時、685万人と比べると約28%減少しています。
また、総務省統計局の労働力調査によると、2022年度の建設業就業者数は479万人で過去17年間では89万人減少していることが分かります。

総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)

参考:総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)」

1-2 建設業の若者離れ

建設業の就業者数が年々減少していることは上の図から分かりましたが、就労者数減少の原因の一つに建設業の若者離れがあります。

では、実際に年代別の就業者数を見ていきましょう。

総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)

参考:総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)」

過去17年間で就業者数が最も減少している年代は30代です。30代は2005年と比べると2022年度時点で61万人減少しており、減少率は約47%となります。
一方、40代と60代以上の就業者数は2005年より増加していることが分かります。 図からも見て分かるように建設業界の若者離れ、高齢化が加速しています。

若者離れの原因の主な理由として挙げられるのが以下の3つです。

1,労働時間の長さ
国土交通省の「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によると、年間の総実労働時間については全産業と比べて360時間以上(約2割)長いのが現状です。

2,休日の少なさ
国土交通省が比較している建設業と製造業の年間出勤日数を比較すると2020年度時点で製造業は224日なのに対して、建設業は244日となっています。国土交通省が調査した産業系の平均年間出勤日数は212日なため、建設業との差はなんと32日になります。

3,労働環境へのマイナスイメージ
建設業の社会から持たれているイメージに「きつい」「汚い」「危険」の「3K」があります。建設業界での労働環境改善も進んでいますが、広まってしまった「3K」のイメージを払拭するのが難しいのが現状です。

2 外国人の雇用について

上記で説明したように建設業の人手不足が深刻化する中、外国人の雇用は年々増加しています。その中でも技能実習生の就労人数について詳しく見ていきます。

2-1 建設分野に携わる技能実習生の就労人数

国土交通省がまとめた「最近の建設業を巡る状況について【報告】」によると、技能実習生の受入れ人数は2011年から2021年の10年間で10倍以上に増加していることが分かります。
また、総務省統計局の労働力調査によると、2022年の 建設業界での技能実習生の受入れ人数は 70,489人となり、2021年とほぼ変わらない就労者数となりました。

総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)」

参考:総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)」

2-2 日本国内の技能実習生の就労人数

今までは建設業界に絞って見てきましたが、ここからは国内全体で就労している技能実習生について見ていきます。

国内全体の技能実習生の推移を見ると、年々技能実習生の受入れが増加していましたが、2020年から減少したのはやはり 新型コロナウイルスの影響です。海外からの入国ができなかったため、実習生の受入れ人数も減少しました。2022年時点の就労者数もコロナ前の数値へ戻りつつあり、今後も増加することが見込まれます。

総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)」

参考:総務省統計局「労働力調査 基本集計 全都道府県(e-Stat)」

3 まとめ

建設業界の人手不足と技能実習生の受入れ状況について解説してまいりました。

建設業界の就業者数が減少し続けている原因の一つとして、若者離れが挙げられています。そしてその若者離れの原因として建設業界の労働環境、マイナスイメージがあります。そんな中、建設業界での技能実習生の受入れ人数は増加しています。

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