入国時に技能実習生が手にする講習手当は、フィリピンを除いてほとんどが一人当たり60,000円です。技能実習生はその講習手当をつかって、寮での食費や初任給までの生活費を賄っています。 しかし現在日本ではインフレによる物価上昇が続いており、その影響は技能実習生の生活にも影を落としています。
2024年に関東研修センターをご利用いただいた企業様の講習手当は、約8割が60,000円でした。この金額は関東研修センター柏校が開校して以降もほとんど変化はありません。 ところが食材費は年々上昇しており、技能実習生達に聞いてみたところ各国の一人当たりの食材費(入国後講習期間内)は下記の通りとなりました。 配属後の生活も考慮に入れて、入国後講習中は2万円以内で生活するよう指導していますが、ベトナムにおいては使える金額の80%が食材費になってしまいます。 あるミャンマー人技能実習生は「野菜はとても高いです。業務用スーパーの冷凍野菜などを工夫して節約しています。」と話してくれました。 また食費の中で大きな割合を占めているのが主食となる「お米」となりますが、そのお米についても去年末より大きな変化が表れています。 関東研修センターでは、技能実習生の主食となるお米を契約業者より仕入れ、「実習生米」と名して、一般のスーパーマーケット等で買うよりも安い金額で技能実習生に販売をしています。 2022年5月時点での1㎏あたりの実習生米販売価格は215円でした。ところが2023年12月には320円を超え、業者からの提案により、これまでの国産ブレンド米からさらに安価なカリフォルニア米へ変更し、2024年1月には290円となりましたが、昨年の米不足の影響で2024年12月に470円となり、2月からは540円となる予定です。
合同生活の授業時間にお米の値上がりについて説明をすると、技能実習生達からは「えーっ」「たかーい!」などといった声が上がりました。それでも技能実習生達は普段の買い物の時にスーパーでお米の値段を目にしており、実習生米が割安であることを知っているため、実習生米以外のお米は買いません。
しかしお米の契約業者からは「今後もさらに価格改定をお願いする可能性がある」といった話があり、次は技能実習生達から悲鳴が上がるかもしれません。
技能実習生は配属された後も、最初のお給料を貰うまでは講習手当の残りで生活します。その期間は最長で2か月近くにも及ぶため、関東研修センターでは節約することの重要性や具体的な節約方法などを指導していますが、節約するにも限界があります。
技能実習生の生活支援やモチベーション向上のためにも是非、講習手当の金額を見直して頂けますようお願い致します。講習手当と生活費
国名
1か月の食材費(タバコやジュースの嗜好品は除く)
インドネシア
10,000円
ベトナム
16,000円
ミャンマー
12,000円
技能実習生の友、『実習生米』
販売価格の変化
実習生の反応
講習手当の見直しをご検討ください
